■歌舞伎--キャラクター紹介

花川戸助六(はなかわどのすけろく)
曽我五郎時致(そがのごろうときむね)が、花川戸の助六という侠客となって、源氏の宝刀友切丸(ともきりまる)を探し出すため吉原に出入りしている。
紫ちりめんの鉢巻き、着物は黒羽二重(くろはぶたえ)の小袖に紅絹裏(もみうら)、ふんどしまで紅色と超ハデ姿で、日本一のいい男助六が蛇の目傘片手に花道から登場して大見得を切る。男っぷりがいい上に喧嘩もめっぽう強くてかっこいい。三浦屋の傾城揚巻(あげまき)と恋仲になった助六は、吉原で豪遊する意休(いきゅう)という老人が、この刀を持っていることを聞きだし、奪い返すというストーリー。
助六由縁江戸桜(歌舞伎の形式上「曾我もの」の演目)

揚巻(あげまき)
花魁。吉原の遊女で助六の恋人。花の吉原遊郭を舞台に、祝祭的な雰囲気にあふれた舞台。
飾りかんざし16本、櫛3枚、豪華な打掛姿に前結びの俎板帯(まないたおび)は七夕模様、それでソロリソロリと花魁道中する、吉原の遊女のトップスター。
助六との仲を意休に責められた揚巻が、悪態(あくたい)で言い返す場面があり、立女方(たておやま)の貫禄を示す重要な場面 。
助六由縁江戸桜(歌舞伎の形式上「曾我もの」の演目)

意休(いきゅう)
敵役。お大尽で揚巻の所へ通ってきて、金の力にものを言わせようとするが、相手にされない。吉原一の嫌われ者。
さすがお大尽、豪華な総刺繍の着付け羽織は荒波に渦巻く雲龍模様。
助六由縁江戸桜(歌舞伎の形式上「曾我もの」の演目)

倉権五郎影政(かまくらごんごろうかげまさ)
荒事のスーパースター。「しばらーく」と大音声とともに現れる。
鎌倉は鶴岡八幡宮の社頭で、罪のない善男善女が悪人に捕らえられ、まさに皆殺しにされようとする危機一髪 の時に、花道から正義の味方、鎌倉権五郎景政という名前の超人的な強いやつが「しばらく、しばらく」と言って出てくる。
市川宗家の「荒事」芸を代表するものとして有名。