■歌舞伎--キャラクター紹介

武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
讒言によって源頼朝から追われる事になった義経主従は奥州に逃れる途中で、安宅の関にさしかかる。安宅の関をまもる富樫は、勧進をしているという弁慶たちの言い分を聞いて勧進帳を読むように言う。「もとより勧進帳のあらばこそ」と巻物をさもそれらしく読み上げる弁慶。見事に読み上げた弁慶主従を冨樫は通行を許すが、関所の番卒が「強力が義経に似ている」と進言する。弁慶が義経を金剛杖で打ち据え守ろうとするのを見て冨樫は本物の義経主従であることに気づくが、弁慶の必死の気持ちに打たれ一行に通過を許可するというストーリー。
勧進帳(能の演目『安宅』がもとになっている)

源 義経(みなもとのよしつね)
源平合戦後の源義経の都落ちをきっかけに、平家の武将の復讐とそれに巻き込まれた者たちの喜悲こもごもを描く。
義経は吉野の河連法眼の館にかくまわれており、ここへ、佐藤忠信が訪ねて来る。ところが忠信は一人でやって来たと言い 静御前の事も知らないと言う。 不審に思っているところへ静御前と供に再び佐藤忠信が来たと知らせが入る。義経の命で静御前が詮議すると、供の忠信は初音の鼓ヤの皮となった狐の子であった。狐の子が親を慕って孝行のために初音の鼓と同行していたことを知った義経初音の鼓を狐忠信に与える。
源氏の総大将である兄頼朝に追われる事となる源義経。武勇に優れ一軍の将に相応しく情理をわきまえた人物として描かれる。
義経千本桜

静御前(しずかごぜん)
義経の愛妾で白拍子。
この演目では義経に、千年の劫を経た雄狐・雌狐の皮を張った初音の鼓を託される。
親狐を慕って鼓とともに静御前についてきた子狐は、静が鼓をたたくと佐藤忠信に化けて出てくる。
動物の肉親への情愛を描くことで、肉親同士が争う人間の非道さが浮き彫りになるという構成である。
義経千本桜

狐 忠信(きつねただのぶ)
義経の最も信頼する家臣佐藤忠信。初音の鼓に使われた狐たちの子が佐藤忠信に化けてでる。
武士から狐への早変り・欄干渡り・宙乗り・意表をついた忠信狐の出現など、ケレンと呼ばれる派手な演出で観客を驚かせる。
義経千本桜