■歌舞伎--キャラクター紹介

鳴神上人 (なるかみしょうにん)
帝は鳴神上人に祈祷をしてもらい皇子を授かった。にもかかわらず約束の戒壇建立が許されなかったので、怒った鳴神上人は三千世界の竜神を北山の滝壷へとじこめてしまい、三ヶ月もの間雨が降らず民は苦しんでいた。宮廷一の美女の雲の絶間姫は、帝の命令で鳴神上人の行法を破り竜神を解き放つ。怒りの為に恐ろしい姿になった鳴神は、雷となって雲の絶間姫の後を追っていく。
鳴神

石川五右衛門(いしかわごえもん)
朝鮮出兵の復讐に日本支配を企てる明の高官宋蘇卿の遺児・石川五右衛門と日本の支配者・真柴久吉との対立を描く。
「絶景かな、絶景かな、春の眺めは値千金とは小せえ、ちいせえ」と見得を切る。
幕切れの見得は、五右衛門が刀を抜きかけて欄干に片足をかけて下をにらみ、久吉が柄杓で手裏剣を受けて上をにらみ返す「天地の見得」と呼ばれるもので、絢爛豪華な舞台にふさわしい立体感あふれる幕切れである。
金門五山桐(楼門五三桐)

弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)
千寿姫を騙し身投げさせた後日本駄右衛門の手下となり、女装して恐喝と窃盗を働く。
因に「白浪(しらなみ)」とは泥棒とか盗賊とかいう意味 である。
盗賊グループ=白浪五人男のメンバーが呉服屋で強請りを働くが侍に見破られる。
そこで「知らざあ、言って聞かせやしょう。弁天小僧菊之助たァ俺がァことだ。」
と有名な名セリフが続く。
青砥稿花紅彩画(弁天娘女男白浪)

鏡獅子
江戸城の正月嘉例の鏡開きに先立ち、大奥では鏡曳きの行事が行われ技芸に優れたものが選ばれて舞うことになっている。見目麗しい女小姓の弥生が選ばれ、獅子の舞が演じられることとなり、艶やかに舞い始める。舞が佳境に入り、のめり込んでいく弥生が祭壇の手獅子を取り上げ舞を続けると、手にした獅子頭が飛び交う蝶に誘われ思わず知らず動き出し、弥生が袖で抑えようとしても止まらない。それどころか勢いのついた獅子頭はなおも猛り狂い、弥生を引き摺り、蝶を追って、いずこへともなく消え去る。
歌舞伎舞踊の大曲で、一人の役者が前半の可憐な女小姓弥生と、後半の勇敢な獅子の精を踊り分ける。
春興鏡獅子